本も開かない、音楽も聞いてない、散歩のとき、イエローモンキーの「This is for you」を口ずさむだけ。
心穏やかに静養に励む。バウンディを聞こうと思ったけど、にぎやかな音楽もメロウな曲もダメ。
心が落ち着く、フジコ・ヘミングのショパンのノクターンでさえも最初のフレーズを聞いただけで一時停止を押してしまった。
入院当初は、体力がなくて椅子に座ると、5分もしないうちにずり落ちそうになった。
姿勢を保ったまま椅子に座っていられる練習のため、夕方、テレビのニュースを20分見る。おばあちゃんが話しかけてくる。
お寂しいのか、ずっとしゃべりかけてこられる。ニュースを見ながら相槌を打つ。
30分を過ぎて、そろそろ、体がきつくなり、おばあちゃんの相手も疲れてきて、一言、断りをいれて、おいとますることに。
「あなた、若いのにねえ。」
とおばあちゃんが言う。
「若くても、きついのは、きついんですよ。」
と返事をする、わたし。
だって、本当だもん、きつくて日常生活が送れないから入院しているんですよ…。
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