この間、テレビで無差別殺人事件を起こした犯人の生い立ちが、短めの再現ドラマで放映されていて、たまたま、みていました。
事件を起こした犯人は、思春期の大事な時期に理不尽な目に遭い、親は蒸発し高校を中退せざるを得なくなり夢を諦め生きるために苦労するさまは可哀想に思えました。
再現ドラマでは、すべてを再現している訳ではないのでしょうが、
ドラマを見る限りは、登場人物が両親ぐらいしか出てこず、友だちと話すシーンもなく、ほかの人との関わりがとても少ないようにと感じました。
コミュニケーションが上手な子ばかりではなく、その逆が多いけれど、関わり合いを持たなければ、ますますコミュニケーションが取れず孤立や寂寥感が増すなぁと思います。
あまりの生い立ちにこれ以上見たくなくなり、別のチャンネルに変えると、同じ部屋にいた子どもが「いまテレビ見てたから、チャンネルを変えないで」、と言いました。
テレビに背を向けたまま、ずっとスマホをいじっていたので、「テレビ見てないでしょう?スマホ見てるでしょ?」と言うと、耳で聞いてた、と言います。
「この犯人、あんまり可哀想過ぎて見ていられないんだけど…」と言うと、「見たい」と言うので渋々チャンネルを元に戻しました。
いよいよ、無差別殺人の事件当日になり、白昼堂々と無差別に犯人が人を襲う場面になりました。犯人は年齢も若く、そう言えばうちの子どもも年齢が近い方だなと思い、
「こんな風に社会を恨んで人を殺したくなる?」と子どもに聞いてみると、
「キラキラしていたり、何も考えてなくて楽をしているように見える人にイラつくことはあるが殺したいとは思わない」と言います。
「へーそうなんだー。楽をしてるかどうかは、その一瞬だけ見ただけでは分からないでしょ」と言ったら
「それにそんなことしたら、お母さんに刺される。」
へ?
「人に迷惑をかけるようなことをしたら許さない、とかいって追っかけられて逆に殺されそう。」
えーって、絶句してしまいました。
まあ、なんてこと言うのかしら、うちの子は…
それじゃ、おそろしい母親じゃないの。
まあでも、人にそんな迷惑をかけたらいけない。とは言うかも。と思いつつも、
「死にたくなったら1人で死になさい。人を巻き込んではいけない。でも、生きていたらいっぱい楽しいことがあるよ。そのときは、何も見えなくて、八方塞がりで苦しくて希望なんてないかもしれないけど、いっときのことだから。」
死にたくなったら1人で死ねなんて、こんなこと言う親は、変わってるんでしょうね。
世間一般の通念と自分の考えが乖離しているかもしれないことを認識して、ウチの子にだけ、自分の考えを話しました。
何かにつまづいた時にふと思い出してもらえれば良いなと思います。
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