コールセンターの管理者として

私は、コールセンターの管理者になって、もうすぐ10年になります。

研鑽というにはおこがましいですが、これからコールセンターの管理者を目指す方へ参考になればと日頃おこなっていることを記します。

自分のチームのオペレータさんの名前と顔をすべて覚える。

→30人以上いるチームに配属され、名前と顔が一致するか不安でしたが、相手に興味を持つこと、席を確認し名前を呼んで挨拶をすることから始め全員の名前と顔を覚えることができました。

一人一人の性格を把握する。

年上でも年下でも関係なく、それぞれの方で個性があります。同じミスをしても相手がどんな性格かで、前半のフィードバックは同じでも次に発する声かけは異なります。

気にしすぎる性格、お嬢様のまま大人になったタイプ、軽く考えるタイプ、理論的に辻褄が合わないと納得しないタイプ、労いの言葉が必要なタイプ、期待されるのが嬉しいタイプ、相手の感情を読み取るのが困難で口での説明では理解が追いつかず、お客様の顔を時系列で書いていく工夫が必要なタイプ…人の数だけ個性があります。

フィードバックは、本来、AするべきだったことをBしたため、Cが起こった。とまずは端的に説明します。

そこから、詳しく手順を追って、流れを一緒に確認します。例えば、基幹システムのどの項目を確認して本来なら、ここに気づいてどうすべきだったが、◯◯だった。この時点で帳票(注文伝票)に◯◯を記入する必要があった。

ダイレクト入力なら、まずこれをする必要がある、など具体的に説明する。

手順を知っていたかどうか?

手順を知らない→研修で習っているはずですが、資料を見てみましょうか、と返答し一緒にマニュアルを確認する。

手順を知っていたが、やらなかった→分かっていてやらなかった場合は、フローの遵守をフィードバックする。資料にインデックスなど付けているか確認する。手順通りおこなえる手助けをする。

手順を知っていたが忘れていた→受け可を優先していたら、まず、いま受けた処理を完了してから次の受電をするようフィードバック。また、未処理なら未処理と付箋を張る、帳票を折り曲げる、なにを未処理か、帳票の端に「未 カード入力」と書いてカード入力が済んだら、未を二重線で消す。書いた文字は消さない。付箋が剥がれて処理ミスをした事例もある、帳票を溜めない、溜めさせない。

オペレータの気持ちを考える→クレーム応対が終わったオペレータには、大丈夫?と声をかける、後処理が終わったら疲れていてもそうでなくてもトイレ休憩を進めて、プチリフレッシュをしてもらう。

なにかちょっとでも良い点があれば、率直に褒める。

例 クローズトークのご自愛の声かけに気持ちがこもっていて良かったですね。

◯◯さん、良かったですよ。今の、ありがとうございます、の言葉には、本当にありがとうございます、という気持ちが伝わって来ました。

例 ◯◯さん、素敵ですね。今のお客様、◯◯さんから、「早く体調が良くなるといいですね。またお電話ください、お待ちしております。」と言われて、とても嬉しかったと思いますよ。

お客様にいつも優しい気持ちで接してくださってありがとうございます。

明るいオープニングが良いですね。でも、惜しいなぁ、語尾伸ばしがなおったら、もっと良いですね。

語尾伸ばしには、文章の、終わりの読点(丸)を意識してもらう。または、言葉の終わりを音楽のスタッカートで終わるようなイメージで話してもらう。

それから、お客様に褒められて、どう返答したら良いか分からないと聞かれることがあります。

まずは、御礼の言葉を伝えてこれからも頑張ります、と言った趣旨の言葉を伝えます。

例 ありがとうございます。励みになります。嬉しいです。ますます精進いたします。

これからも頑張ります。

この間、20代のオペレータが、お客様から暑いのであなたも気をつけてね。と気遣いの言葉をかけられて、「そうですね、お互いに気をつけましょう。」と言ってしまいました。

これは、ちょっと違います。

オペレータとお客様は、同じ立場ではありませんし、相手の方は、かなり年上のお客様でした。

お気遣いいただき、ありがとうございます。わたしも気をつけたいと思います。と言ってみてといいました。

また、遊具のシーソーをイメージしてもらい、お客様が上で、自分が下という意識で話すよう伝えました。

気持ちを込める表現は、オーバー気味でちょうど良く、慣れるまでは気恥ずかしい人もいますが、面倒くさいと思っていたらお客様に声で伝わってしまいます。

申し訳ないという言葉を発する際は、眉をハの字にするよう伝えます。申し訳なさのこもった声を出せるようになることも成長のひとつです。

オペレータが年上の場合は褒め方も注意が必要です。上から目線にならないように気をつけます。年上のオペレータは、お客様にご不幸があった際などには、サラっとお悔やみの言葉を気持ちを込めていうことができます。オペレーションスキルが低い方、高い方に関係なく目上の方は大体できます。さすがだと思います。若い人はシステムの扱いが上手くてもこういう言葉がなかなか出て来ません。そのあたりを感謝を込めて、◯◯さん、お客様へ気持ちを込めてお悔やみの言葉を(ちからをおとされませんように)など、優しい声かけをしてくださってありがとうございます、と御礼を言います。ついでに若いオペレータには、こういう場合には、こういう言葉を言う、と伝えます。ですが、最悪思い出せなかった場合は、さようですか…にお客様がお辛い気持ちなんですね、という気持ちを込めた、さようですか、を言うように伝え、実際にやってみせる。

それから、フィードバックする前にまずはオペレータとの関係性を良好に保つことも大事です。わたしは、年上のオペレータの方の場合は、仕事面では職位は上でも人生の先輩だというスタンスです。

年が下の場合でも、ある分野では自分より詳しかったりします。プライドはどこかに捨ててしまって、率直にどういう仕組みか尋ねたりします。

自分が知らないのであれば、その道を知っている人がいれば聞いた方が早いのです。

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