エジプト旅行1日目 日本を出立

旅行代理店でエジプト旅行の申し込みはしたものの、地方の空港発は既に売り切れ、成田発しか残っていなかった。

エジプト旅行を申し込みしたついでに、このまま旅行代理店で地方から成田空港までの航空チケットを頼もうかと一瞬思った

もし依頼すると、JALとかの正規料金になってチケット代が高くつきそうだなぁと思い、その場では頼まなかった。

そして、後から自分で予約しようと考えたものの、日々の雑事に追われ、気付いた時には東京行きの航空チケットは、羽田着しか残っていなかった。

仕方なく羽田空港までのチケットを押さえて、羽田空港から成田空港までの移動手段を考えなければならなくなった。こういう時はGoogleのルート検索ですね。

うーん、電車乗り継ぎで1,850円、リムジンバスで3,600円、電車でも移動できるが、ノンストップで乗り換えなく安全安心確実に移動できる空港間のリムジンバス、どちらも時間は1時間から1時間20分かかる。

よし、リムジンバスにしよう!

地元のリムジンバスは予約不要なのだけれど念のため、東京交通リムジンバスに電話する。

「予約はしなくてもよいですか?」と尋ねると、電話口の男性は、乗れないといけないので予約した方がよいでしょう、と言われた。

そうかーと思って、羽田空港への到着時刻から30分後で予約を取っていた。

さて、当日、飛行機の到着が7分遅れて、回転寿司のように流れてくるスーツケースの中から我が子をお迎えし到着ロビーに降り立つ。

ここどこー?近くの案内図を見る。リムジンバスの乗り場がよくわからず案内図を凝視すること2分経過、ターミナル間無料シャトルバスとは違うしなぁ…突然、真紅色の旗が、視界に入る。

旅行会社の添乗員の女性が頭上で、赤い旗をひらひらと揺らしながら、歩く。修学旅行の高校生たちのご一行が、カルガモの行列さながらに連なって私の前をワイワイ横切って行くのをしばし見送る。

さて、気を取り直りして、もう一度案内図を見る。リムジンバスのイラストが下部分に大きく描かれているのを見るがイマイチどう言う意味か分からない。

直感的に分からなければデザインとして成り立たないよなぁーと心の中でぼやきながら、柱の側面をまわってみると別の案内図が出現。地下から3階まで、眺めてみて、上の階にも下の階にもリムジンバスは来ないようだ。リムジンバスが到着するのは今いる1階で間違いなさそう。

まわりを見渡すと、スーツケースを持った人々が目の前の自動ドアから次々に出て行く。自分も後に連れ立って外に出てみようとしたところ、自動ドアから出る直前に細かい案内図があってよく見ると、渋谷方面と書かれた行の先に、バスの停留所がたくさん列挙されている、

これは!目的地は渋谷ではなく成田空港だから…あった、7番乗り場。この自動ドアを出てすぐ左に曲がって2個目、Gmailに届いていたリムジンバスの予約は確か12時だ。目の前にバングラデッシュ人のような若いお姉さんが立っている。

小柄な女の子なのに、オジサンが着る工事現場の人みたいな蛍光オレンジのベストを着ている。

借りてきた服を着ているみたいで彼女の華奢さが強調されている。お姉さんの頭上に、学校にあるようなアナログ時計の針は、11時58分を指している。

やばっ、ここ7番乗り場だよね?gmailのメール本文をお姉さんに見せながら「12時発の成田空港行きは、ここですか?」と尋ねる、彼女は「キーアールコードヲオネガイシマス!」

どこから声を出しているのか金切り声だ。オウムかと思う。キーアール?小柄で可愛い彼女は、手慣れたように私のスマホの画面に写し出されたメールの本文を下にスッスッとスクロールしQRコードのURLを迷わずタップしてくれる。

タップしてくれたものの、おっそいWi-FiにつかまってQRコードのリンクが開かない。内心焦りながら、iPhoneの設定からWi-Fiを切って再度URLを自分でタップする。

パッとQRコードが表示される。無事、姿勢の良い浅黒い肌の可愛らしいお姉さんにレジにあるようなバーコードリーダーでピッと読み込んでもらっていると、その横で、日本人の20代前半のお兄さんがさっさと私のスーツケースをリムジンバスのお腹に積み込んでくれて小さな紙を渡された。

とりあえず、バスに乗り込もうと階段に足をかけたら、「セキは、指定席デス!番号が書いてあります!」

お姉さんの言葉がやっと日本語変換されて私の背中を追いかけてきた。指定席ね、お兄さんからスーツケースと引き換えに渡された紙切れを見る。

z-24、えっとz席は…頭上の棚に左右に2席ずつA、B、C…と確認しなが歩く。後部座席の近くまで行くがz席は無い、というかアルファベットはJぐらいまでしか無いぞ。

いぶかしげに手元のチケットを見る。z-24の上には手荷物引換券と書いてある。あ、コレ座席の番号と違うわ。座席だよね?

メールの本文を見返すと座席は3A、あー、前から3番目を予約したんだった。忘れてた。後部座席から前方へときびすを返す。

足早に歩をすすめると同時にバスがむっくりと動き出した。私は、慌ててななめに滑り込むように着席する。

乗客がちゃんと座席に座るまで圧を込めてアナウンスする地元と違い、東京は時間を優先するのか?!いや違う、きっと私が後部座席に座ると思って発車したのだろう。

東京リムジンバスからのメールには、QRコードを画面キャプチャしておくことをオススメされていて、その通り、画像保存してたんだけどなー、忘れてたよ。

ここで使うのか…車窓から空港の出口を見下ろすと、自動ドアを出て3メートルおきぐらいの壁にリムジンバスの発券機があって、老若男女その場でチケットを購入している、こっちが良かったかも。運良く予約時間のバスに乗れたものの、もしバスに乗り遅れたら3,600円が無駄になるところだった!あぶなーい。

助かったわ。Yさんから旅行には何でも良いからお守りを持って行くように言われていて、旅行だからみちしるべの神様、猿田彦の赤い天狗のお守りを忍ばせておいたおかげだろうか、無事に間に合って良かった。

さて、運転手のお兄さんがやおら、乗客に向かって、「高速に乗りますから、シートベルトお願いします!」と高らかに声を張り上げると共にシートベルトオン、オフのイラストが印刷されたA3のラミネート用紙をリングガールのごとく頭上に掲げる。

時間は2秒程度。リングボーイが掲げた瞬間、乗客は瞬時に状況を理解し、カチャッ、カチャッと随所でシートベルトを締める音がする。阿吽の呼吸とはこのことか。バスは滑らかに出発した。

ふぅ、僕の心臓のBPMは190になったぞ。ってね。

続く。

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