しめなわの話

12月、師走ですね。同棲していた時、しめ縄のことで、もめたことがある。

私は、年末にしめ縄を飾る風習のある家で育ったので、しめ縄を飾らないという選択肢はなかった。

新しい年を迎えるにあたり、家中を掃除して、玄関に松竹梅を飾り、玄関に年神様にココですよ、という目印にするため、しめ縄を吊るす。

年を迎える準備をきちんとおこなうことで家族のしあわせにつながると思うと苦手な片付けや掃除も頑張れた。

しめ縄を準備して、縁起が良い日にと、12/28の朝に玄関の扉の外にしめ縄を吊り下げた。

夕方帰宅するとしめ縄が外して玄関の靴の棚の上に置いてある。

同棲相手が帰宅したので、しめ縄が玄関に戻してあった理由を尋ねると

マンションの同じフロアの住民が、しめ縄を飾っていないので、カッコ悪いと言われた。

しめ縄を飾る飾らないを他の人の様子をみて判断することに驚いた。

わたしは、しめ縄を飾る飾らないは、信仰や日本の伝統行事に関するその人の考え方だと思っている。

わたしは、しめ縄を飾りたいし、年神様を迎えるために、どうせなら良い日にちに、しめ縄を飾りたいと言っても良い顔をしない。

年末が迫ってくるのにマンションフロアの人がしめ縄を飾っていないからと首を縦に降らない。

年神様を迎えられなければ、一年間家族が恩恵を受けられないと私は焦ってきた。家族のために、良い日にちに、しめ縄を飾れるよう準備していたのに相手がうんと言わず、ギリギリまで気持ちを尊重したが年神様をお迎えできないと大変なので最後はこちらの判断で12/29を避けて12/30だったか、12/31の一夜飾りになったのか忘れたが、しめ縄は、ぎりぎりに飾った。

そうして蓋をあけてみれば、マンションの同じフロアの住人は、誰1人しめ縄を飾っていなかった。同じフロアの人たちは、しめ縄を飾らない派だったのだ。そういう地域なのかと思うとそうではなくて近所の戸建ての家は若い人でも年配の人でもしめ縄を飾っていた。

彼は、伊勢神宮から取り寄せた、しめ縄をお店の中に飾っていて、お客様に自慢していた。そういったものに理解があるのかと思っていたが、そもそもしめ縄は、玄関扉にかけて悪いものが入ってこないようにする意味があるのだから、店の中にしめ縄を飾っているのは、おかしなことだった。

しめ縄を飾る飾らないというよりも、しめ縄を飾る背景、意味合いを理解せずに、ただ伊勢神宮のしめ縄なんです、と店の中に飾ってお客様にアピールしていただけなのかもしれない。だとすれば、お粗末な話である。

いろいろ、差っ引いても、話し合いがうまくいかないことと、自分の考えがただしいと押し通して、他の意見を聞かず、お互いに妥協して折り合いがつけられなかった。

わたしは、いろいろ、相手の嫌だな、と思うことがあっても、好きだから言えなかった。でも、言えないのは、それだけの関係性だったのかな。

縁があって同棲までしたけれど、一時的な相手だったということかな。

一番近くにいるのに本当の気持ちを言えないのは、寂しいことだからね。

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